TRIMによるprecision autophagyは自然免疫を制御する

留学先で発表しました論文を紹介させていただきます。
当ラボではTRIMファミリー蛋白に着目してオートファジーとの関連について検討しております。私はオートファジーが、TRIM蛋白を介して免疫を制御する機構に興味を持ち、検討を加えました。
免疫学的条件下でのスクリーニングにより、32種類のTRIMの関与が判明しました。特に、自己免疫疾患との関連から、TRIM20（家族性地中海熱）とTRIM21（SLEやシェーグレン症候群）の解析をさらに進めた所、(i)TRIM20/21はUKL1、Beclin 1、ATG16L1といったオートファジーの上流因子をリクルートする、(ii)TRIM20/21はmammalian Atg8sと直接結合する、(iii)TRIM20はインフラマソームのコンポーネントであるNLRP3を、TRIM21はI型インターフェロンシグナル系のIRF3を、それぞれ認識し、オートファジーによる分解に供する、ことが判明しました。TRIM20の病気に関連する点突然変異があると、この分解が上手く行かないことも示されました。
このようなTRIM蛋白が精密にオートファジーを制御してターゲットを管理する機構をprecision autophagyと呼び、検討を加えております。