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PubMedID 27697924 Journal J Cell Biol, 2016 Oct 3; [Epub ahead of print]
Title ASB7 regulates spindle dynamics and genome integrity by targeting DDA3 for proteasomal degradation.
Author Uematsu K, Okumura F, ..., Nakatsukasa K, Kamura T
名古屋大学大学院理学研究科  分子修飾制御学グループ(嘉村研)    奥村 文彦     2016/10/12

最近受理されましたデータを紹介させていただきます。

1, Cullin 5に結合する機能未知のユビキチンリガーゼASB7を解析する過程において基質分子DDA3を同定した。DDA3はキネシンファミリーに属するKif2aと協調して紡錘体形成を抑制することが知られている。

2, 微小管の存在はASB7とDDA3の結合を阻害し、ASB7依存的なDDA3のポリユビキチン修飾も減少し、結果としてDDA3は安定化した。

3, ASB7をノックダウンするとDDA3は蓄積し、細胞分裂期における染色体の整列に異常が見られたが、この異常はASB7の再導入で回復した。

これらの結果をまとめると、ASB7はDDA3を不安定化し、微小管の伸長を誘導する。微小管が十分量形成するとASB7とDDA3の結合が阻害され、DDA3が安定化することが示唆された。したがってASB7とDDA3の間には微小管の存在量を介したフィードバック機構が存在し、適切な紡錘体の形成が保証されていると考えられる。
   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局