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PubMedID 19339495 Journal Proc Natl Acad Sci U S A, 2009 Apr 14;106(15);6226-31,
Title Activation of antibacterial autophagy by NADPH oxidases.
Author Huang J, Canadien V, ..., Grinstein S, Brumell JH
東京工業大学統合研究院  大隅良典研    角田宗一郎     2009/05/28

バクテリア感染に対するオートファジー誘導はNADPHオキシダーゼ活性に依存する
オートファジーと活性酸素の関連性についてはこれまでにも報告があったが、この論文ではバクテリアに対する免疫機構としてのオートファジーが、NADPHオキシダーゼ(NOX)による活性酸素産生に依存していることを報告している。

前半はIgGやTLRのリガンドを結合させたビーズを用いた実験で、マクロファージに貪食させるとLC3ポジティブなファゴソームが形成される。食細胞の活性酸素産生に注目して、NOX阻害剤と抗酸化剤による処理を行うとLC3が食胞から消失し、さらにNox2遺伝子欠損マウス由来の好中球においてもLC3が食胞に見られなくなる。またファゴソーム画分に存在するLC3-IIとATG12もNOX阻害により減少する。後半ではサルモネラ感染時のLC3の誘導も同様にNOX依存であること、さらにNOXもしくはATG12をノックダウンすると細胞内でのサルモネラの増殖率が上昇することを示している。
サルモネラを取り囲むLC3については食胞膜上にあるのかオートファゴソーム膜上にあるのかは明らかでなく、前半とは異なる現象を見ている可能性がある。食胞内で産生される活性酸素がLC3の食胞膜移行を誘導するメカニズムは未解明で今後の進展が期待される。
   
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