> サイトマップ

オートファジーによるオルガネラの分解と細胞周期

写真:中村暢宏

金沢大学 大学院自然科学研究科
生命科学専攻遺伝情報学講座
細胞生物学研究分野 准教授
中村 暢宏

タンパク質分解が細胞周期に関係する場合、主としてプロテアソームのタンパク質分解で説明できるとされて来た。しかしながら、これまでの我々の研究から、オートファジーにおけるオルガネラの分解は、特徴的な変化を経るとともに、細胞周期と密接に関係していることを見いだしている。この研究結果を踏まえて、オルガネラの分解がどのように調節され、細胞周期とつながっているか、そのシグナル伝達機構を明らかにする。(オルガネラ標識安定細胞株の単離)まず、シグナル配列を用いオルガネラを標識した細胞を作成する。リソソームはLysotrackerで、核はHoechst33258等で蛍光染色する、ゴルジ体のcis側はGM130やGRASP65やFinGERで見る。(オルガネラ分解測定系の構築) 得られたオルガネラ標識安定細胞株を用いて、オルガネラの分解の特徴を各種培地・条件下に測定し、オルガネラ間の相違を明らかにする。その際、共焦点レーザー顕微鏡と蛍光分光光度計を用いる。我々は既に、ミトコンドリアの分解が、血清とアミノ酸除去により、2?3時間後に急激に起こることを見いだしているが、オルガネラ分解の特徴を明らかにする。(オルガネラの分解と細胞周期との関係) 各種オートファジー阻害剤等を用いたり、細胞同調法を用いて、オートファジーと細胞周期との関係に迫る。オートファジーが細胞周期依存性か否か等、また、細胞周期に関係するタンパク質の挙動(リン酸化等)を見る。

本研究課題に関連する代表的論文3報

  1. 1. Kawai, A., Takano, S., Nakamura, N. and *Ohkuma, S. “Quantitative monitoring of autophagic degradation.” Biochem. Biophys. Res. Commun. 351:71-77. (2006)
  2. Yoshimura, S., Yoshioka, K., Barr, F. A., Lowe, M., Nakayama, K., Ohkuma, S. and Nakamura, N. “Convergence of cell cycle regulation and growth factor signals on GRASP65.” J. Biol. Chem. 280: 23048-23056. (2005).
  3. Yoshimura, S., Yamamoto, A., Misumi, Y., Sohda, M., Barr, F. A., Fujii, G., Shakoori, A., Ohno, H., Mihara, K. and Nakamura, N. “Dynamics of Golgi matrix proteins after a block of ER to Golgi transport.” J. Biochem. 135: 201-216. (2004).

Web page

http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~seika/index.html

▲このページの先頭へ