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PubMedID 18552835 Journal Nat Cell Biol, 2008 Jun 15; [Epub ahead of print]
Title Beclin1-binding UVRAG targets the class C Vps complex to coordinate autophagosome maturation and endocytic trafficking.
Author Liang C, Lee JS, ..., Akazawa C, Jung JU
基礎生物学研究所 分子細胞生物学研究部門  大隅良典研    壁谷 幸子     2008/06/23

オートファジーにおいてUVRAG は結合相手を変えて2度働く
 2年前、著者らは、UVRAG (UV-irradiation-resistance-associated gene) を Beclin 1-binding proteinとして同定し、その結合が PI(3)K class III の活性を高め、オートファゴソーム形成(第1の働き)を誘導することを報告した。今回彼らは、その UVRAG が class C Vps(C-Vps)複合体と結合し、オートファゴソームの成熟過程(第2の働き)を促進することを報告している。

 UBRAG は、Beclin 1 に結合する領域とは異なる領域で C-Vps 複合体と結合し、その結合が Rab7の活性を高め、オートファゴソームとリソソームの融合を促進させた。その証拠に、UVRAG を発現させると、リソソームと共局在する LC3 ドットが増加し、長寿命タンパク質の分解が促進された。興味深いことに、この過程に Beclin 1 は必要ではない。
 また、UVRAG と C-Vps 複合体は初期エンドソームに局在し、その結合はエンドソーム間、エンドソーム-リソソーム間の融合をも促進したことから、UVRAG は、2つの輸送経路の trafficking effectorであるとしている。

 今回、UVRAG が Beclin 1から C-Vps 複合体に結合することで、オートファジーにおける機能が変化することが示されていますが、その詳細、会合と脱離の機構や他の Beclin 1-binding proteins との関係は論議されていません。今後、これらの点が明らかになっていくことを期待します。

 最後に質問ですが、この論文中で、UVRAG を発現させたとき、LC3 のドットが通常より大きく見えます。これは、オートファゴソームどうしの融合を意味しているのでしょうか? また、Beclin 1 のノックダウンで見られた LC3 のドットは、オートファゴソームと言ってよいのでしょうか? ご意見頂ければ幸いです。
   
   本文引用

1 東京医科歯科大学、細胞生理学分野  水島昇研  板倉英祐 GFP-LC3ドット 2008/06/27
>  最後に質問ですが、この論文中で、UVRAG を発現させたとき、LC3 のドットが通常より大きく見えます。これは、オートファゴソームどうしの融合を意味しているのでしょうか? また、Beclin 1 のノックダウンで見られた LC3 のドットは、オートファゴソームと言ってよいのでしょうか? ご意見頂ければ幸いです。


はじめまして。水島研の板倉と申します。
彼らはGFP-LC3の一過性発現によって実験を行っているため、すべての実験でGFP-LC3のアグリゲーションを見ている可能性が高いと思います。アグリゲーションならあのような大きなドットが見えます。確かにUVRAGを発現させた細胞で特に大きなドットが見えていますが、少なくとも私が行っている限りではUVRAGの発現でオートファジーが促進したことがありません。
おそらくあのドットはオートファゴソームではないと思います。
また核内にもGFP-LC3は局在し、オートファジー促進時に核内のGFP-LC3シグナルは抜けることが知られていますが、彼らの言うUVRAG mediated-autophagyの場合でも核内のGFP-LC3は残ったままに見えることにも疑問が残ります。
      
   本文引用
2 基礎生物学研究所 分子細胞生物学研究部門  大隅良典研  壁谷 幸子 やはり安定発現株での解析 2008/06/30
 板倉さん、コメントありがとうございました。確かに、一過性の過剰発現によるアーティファクトを見ている可能性がありますね。今後、彼らが安定発現株での UVRAG の機能を調べてくれるよう、期待しましょう。

      
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