PubMedID |
17210638 |
Journal |
Mol Cell Biol, 2007 Jan 8; [Epub ahead of print] |
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Title |
Calpain 6 Is Involved in Microtubule Stabilization and Cytoskeletal Organization. |
Author |
Tonami K, Kurihara Y, ..., Asano T, Kurihara H |
東京都臨床医学総合研究所 カルパインPT 反町 洋之 2007/01/16
活性のないカルパイン6は微小管レギュレーターであった
現在までに、マウスの14のカルパイン活性サブユニット遺伝子のうちCapn1, 2, 3, 5, 6, 7, 8, 10の8つの遺伝子改変マウスが作出されており、うち5種が報告されている。Capn6は線虫の性決定遺伝子産物TRA-3の哺乳類ホモログであるが、14のカルパインの中で唯一、活性中心のCysが存在しない「偽カルパイン分子」でもある。Capn6は幼若骨格筋と胎盤で発現が多いことが知られていたが、今回、背腹軸方向の形成に関与するペプチドレギュレーター、エンドセリン-1(ET-1)のノックアウトマウスの解析から、Capn6がET-1の下流にあること、Capn6が胎児咽頭弓で発現することが明らかとなった。Capn6の過剰発現とRNAiの実験から、Capn6がドメインIII(C2様ドメイン)で微小管と相互作用し、細胞内の微小管の安定性を制御していることが明らかとなった。
この報告は、これまで未知であった哺乳類のTRA-3ホモログの生理機能について大きなヒントを与え、また、カルパインのプロテアーゼとして以外の機能についても大きな示唆を与えるものである。哺乳類にはCapn5という、こちらは活性を持ったTRA-3のホモログも存在しているため、これとの関連も今後興味深い。