PubMedID |
17101693 |
Journal |
J Cell Biol, 2006 Nov 20;175(4);595-605, |
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Title |
Calpain is required for macroautophagy in mammalian cells. |
Author |
Demarchi F, Bertoli C, ..., Eskelinen EL, Schneider C |
東京都臨床医学総合研究所 カルパインPT (反町研) 秦 勝志 2007/01/25
カルパインはオートファジーに必要である
calpainと細胞死との関係については、apoptosisの抑制あるいは誘導への関与が数多く報告されている。本論文は、Nat. Cell Biol. (ATG5 cleavage by calpain) と同時期に発表されたもので、主にautophgyにおけるcalpainの役割について、またapoptosisとの関係についても述べられている。rapamycin処理、starvation等の培養条件下において、CAPNS1(-/-)MEFあるいはCAPNS1ノックダウン細胞株はautophagyをほとんど誘導できなくなっており、LC3の挙動から、それがautophagosomeの形成不全によるものであることが示されている。近年、ER・Golgiなど、あらゆる細胞内膜系を介したcalpainの機能が明らかになりつつある。本論文では述べられていないが、autophagosome形成時のmu-calpainとm-calpainの挙動、calpainの基質・相互作用因子解析などから、calpainが関与する制御系に迫ることが期待される。
(参考)組織普遍的に発現するmu-calpainとm-calpainは、それぞれ特有の活性サブユニットと共通の制御サブユニットによるヘテロダイマーを形成する。CAPNS1(calpain 4)はこの制御サブユニットを指し、mu-calpainとm-calpainの活性発現に必須である。CAPNS1 KOマウスはmu-calpainとm-calpainの活性を欠失しており、E11.5で死んでしまう (Arthur et al. Mol. Cell. Biol. 2000)。