PubMedID |
18832610 |
Journal |
Science, 2008 Nov 14;322(5904);1104-7, |
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Title |
Ubiquitin-like protein involved in the proteasome pathway of Mycobacterium tuberculosis. |
Author |
Pearce MJ, Mintseris J, ..., Gygi SP, Darwin KH |
名古屋大学大学院工学研究科 水島恒裕グループ 高木賢治 2008/12/15
原核生物のユビキチン様タンパク
ユビキチンは真核生物でのプロテアソームを介した分解のシグナルですが、ユビキチン様タンパクに相当する遺伝子が見つかっていなかった原核生物では、プロテアソームを持ちながらも、ユビキチン独立な経路でタンパクを分解すると考えられてきました。
本報告では、Mycobacterium tuberculosis(結核菌)でのプロテアソーム基質に特異的に結合する、原核生物のユビキチン様タンパク、Pupが特定されました。Pup化はLys残基で起こり、プロテアソーム補助(副次的)要素A(PafA)を必要とします。さらに、PafA変異体ではPup化タンパクが欠失し基質が蓄積することから、Pup化と分解は関連することが示されています。このようなことから、真核生物と同様に、タンパクの安定性を調節するために細菌は小さなタンパクを修飾因子として使うのかもしれないとしめていました。
ユビキチン関連分解の進化については、以前にモリブドプテリン(MPT)シンターゼがユビキチンと類似していることが挙げられ、全生物に保存されているMPTから真核生物のみに存在するユビキチン様タンパクに進化したと言われていたようですが、今回の発見はそれに異を唱えるといえるかもしれません。