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PubMedID 19167332 Journal Cell, 2009 Jan 23;136(2);308-21,
Title SEPA-1 Mediates the Specific Recognition and Degradation of P Granule Components by Autophagy in C. elegans.
Author Zhang Y, Yan L, ..., Miao L, Zhang H
順天堂大学医学部生化学第一講座  木南研    曽 友深     2009/01/28

線虫の生殖細胞決定と選択的オートファジー
 P granuleは未同定のRNA成分と複数のタンパク質成分から構成される線虫の生殖顆粒であり、生殖細胞にのみ集積し、その運命決定や分化に寄与すると考えられる細胞内構造体である。
  筆者らは、体細胞でのP granuleの選択的除去に必要とされる遺伝子を同定する目的で、RNAiスクリーニングを行ったところ、LGG1(線虫のAtg8/LC3)が得られた。LGG1のRNAi変異体ではPGL granule (P granule構成タンパク質であるPGL1とPGL3は局在するが、RNAヘリカーゼであるGHL1やGHL4は局在しない)が体細胞に蓄積する。
  さらに、LGG1のRNAiの表現型を抑制するタンパク質としてSEPA1を同定した。LGG1とSEPA1のダブルRNAi変異体ではPGL granuleの形成が抑制される(分解されないので、PGL1のドットがDiffuseする)。また、SEPA1はLGG1および PGL3と結合(Direct interaction)し、オートファジーによるP granuleの選択的分解にアダプタータンパクとして寄与している。
 これらの結果から発生段階の体細胞において、SEPA1を介したP granuleを選択的に除去するオートファジーが働いていると示している。

 SEPA1が線虫における高等動物のp62および酵母Atg19のfunctional homologueと考えられるが、今まで、報告されているLC3/Atg8?p62/Atg19に必要なWXXLモチーフがSEPA1には見つからないので、どのような結合様式をとるか?また、11種類ものファミリータンパク質を構成しており、そのほとんどがオートファジー不能によって蓄積するので、これらファミリータンパク質の機能解析などを期待したい。

   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局