PubMedID |
19203578 |
Journal |
Cell, 2009 Feb 6;136(3);420-34, |
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Title |
The RIDDLE syndrome protein mediates a ubiquitin-dependent signaling cascade at sites of DNA damage. |
Author |
Stewart GS, Panier S, ..., Taylor AM, Durocher D |
北海道大学大学院医学研究科生化学講座 畠山鎮次研究室 藤井健吉 2009/02/27
DNA損傷(DSBs)を感知するE3カスケード
2009年2月6日号のCellに、RING型ユビキチンリガーゼ(E3)RNF168というDNA修復制御の新しい役者について、2連報(*1)が報告されました。
高等動物のDNA損傷の中で、特にDNA double-strand breaks(DSBs)が生じると、セリンスレオニンキナーゼATM(*2)がセンサーとして働き、制御因子の凝集体(*3)が形成され、NHEJ機構もしくはHR機構によってDNA修復がなされることが知られています。今回の論文では、DSBs部位への凝集体リクルートを制御する初期機構として、RNF8→RNF168→BRCA1というE3群による3段階ユビキチン化カスケードが存在することが示されました。また、このE3カスケードではUBC13という共通のE2が使われていることが示唆されていました。
本2論文に共通する特徴としては、53BP1局在を指標とするesiRNAスクリーニング法(*4)によりRNF168を見出し、DSBs修復における役割を顕在化させたことが挙げられます。RNF168はRIDDLE syndrome(*5)の原因遺伝子として2007年に同グループから報告されておりました(PNAS, PMID: 17940005 )。RNF168の機能にはMIUユビキチン結合ドメインが必要です。E3カスケードという概念の中で、E4的な機序の重要性が再度注目されるようになるかもしれません。
*1: PMID: 19203579 / 19203578
*2: ATM: Ataxia-Telangiectasia Mutated
*3: 構成因子としては、ATM, γ-H2AX, MDC1, RNF8,MRN complex, 53BP1, BRCA1/2 etc. などが報告されている.
*4: esiRNA screening: PMID: 18006705 , (cf) http://www.mpi-cbg.de/esiRNA/
*5: RIDDLE syndrome: (Radiosensitivity, Immunodeficiency, Dysmorphic features, and Learning difficulties) syndrome