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PubMedID 17238920 Journal Mol Microbiol, 2007 Feb;63(4);1069-1077,
Title Efficient degradation of misfolded mutant Pma1 by endoplasmic reticulum-associated degradation requires Atg19 and the Cvt/autophagy pathway.
Author Mazon MJ, Eraso P, Portillo F
基礎生物学研究所・分子細胞生物学研究部門  大隅良典研    鈴木邦律     2007/02/05

出芽酵母を材料とした研究。
ERADの基質としてPMA1(細胞膜局在のH+-ATPase)のD378T変異を用いている。
PMA1-D378Tを過剰発現した酵母は生育不能となるが、その表現型を抑圧するmulticopy suppressorをスクリーニングしたところ、Atg19が得られたというもの。
Atg19によるsuppressionには正常なautophagy/Cvt pathwayが必要であり、なおかつERADの系が正常に動いている必要がある。
Discussionでは、PMA1-D378Tがまずproteasomeで分解され、分解されたペプチドがaggregateを作ってproteasomeの活性を阻害する。このaggregateを除去するのにautophagy/Cvt pathwayが必要なのであろうとしている。
Atg19を過剰発現しないとsuppressionの効果が得られないので、生理的に意味がある現象かどうかは不明であるが、autophagy/Cvt pathwayとERADが関わる何らかの現象を見ていることは確かであろう。
autophagy/Cvt pathwayとERADの系が並行しているのか、それとも順番に働いているのかを何らかの形で示せれば、もう少し面白い論文になったでしょう。
   
   本文引用

1 東京医科歯科大学  細胞生理学分野  水島昇 謎だが面白い! 2007/02/11
これは大変楽しい論文ですね。Atg19は以前はCvt19と呼ばれていたもので、アミノペプチダーゼ(API)やαマンノシダーゼを認識するCvt vesicleの基質受容体であると考えられてきたと思います。今回の論文のようにAtg19を高発現させた場合Cvtやオートファジーに何がおこるか(活性化されるのかどうか)はっきりしませんが、Atg19が単なる基質受容体ではないと考えざるをえないのではないでしょうか? Data not shownではありますが、Atg19のUb化と脱Ub化もサプレッサーとして機能するのに必要なようです。
 Discussionで彼らが議論しているのは、プロテアソームの分解産物ペプチドによって自身が不活性化されてしまうということですが、このためにはポリQの例のようによほど特殊なペプチドが産生される必要があります。なにか違う秘密がありそうな予感がします。
 本質とははずれますが、パルスチェイスでシクロヘキシミドを使っていますが、シクロヘキシミドはオートファジーを強力に抑制しますので、このタイムコースで用いるとオートファジーの効果が見えなくなってしまうので注意が必要だと思います。
      
   本文引用


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