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PubMedID 19410548 Journal Cell, 2009 May 1;137(3);549-59,
Title An inhibitor of a deubiquitinating enzyme regulates ubiquitin homeostasis.
Author Kimura Y, Yashiroda H, ..., Kakizuka A, Tanaka K
東京都臨床医学総合研究所・先端研究センター  田中啓二研    木村 洋子     2009/05/15

脱ユビキチン化酵素とそのインヒビターによるユビキチン量の制御
ユビキチンは、細胞内で非常に多くの活動に利用されていますが、一方、その量は適切に維持されていなくてはならないようです。この論文では、ユビキチン量の制御機構の一つを示しました。

論文では、以下の事を示しました。
(1) cdc48の高温感受性変異株からマルチコピーサプレッサーを取得したところ、新規の遺伝子RFU1(regulator for free ubiquitin chains 1)がえられた。
(2) RFU1は、cdc48だけでなく、プロテアソームの変異とも遺伝的関係がみられたので、Rfu1はCdc48特異的ではなくユビキチン・プロテアソーム系一般に関与している因子であると考えられた。
(3) RFU1の欠損変異株では、基質が結合していないフリーのユビキチン鎖が消失し、単量体ユビキチンの量が増えていた。
(4) Rfu1のターゲットを探したところ、脱ユビキチン化酵素Doa4であり、Rfu1はDoa4のインヒビターであった。
(5) 熱ショックを与えると、平常時にはみられるフリーのユビキチン鎖がすみやかに消失した。そしてこの消失に、Doa4とRfu1が関与していた。さらに熱ショック時には、Doa4の量が増えRfu1の量が減っていたため、熱ショック時には、Rfu1が結合していないDoa4が増えることが期待された。

以上の結果より、単量体ユビキチンの産生は、フリーのユビキチン鎖から生じる部分があり、それは脱ユビキチン化酵素とそのインヒビターのバランスによって制御されていることが考えられました。またフリーのユビキチン鎖は、平常時に、過剰なユビキチンを蓄えるリザーバーではないかというモデルを提唱しました。

   
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Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局