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PubMedID 19597335 Journal Autophagy, 2009 Oct 18;5(7); [Epub ahead of print]
Title Atg101, a novel mammalian autophagy protein interacting with Atg13.
Author Hosokawa N, Sasaki T, ..., Hara T, Mizushima N
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科  水島研究室    細川 奈生     2009/07/30

哺乳類新規Atg因子の発見
 私達のグループが最近報告した論文について、紹介させていただきます。

 当研究室では、オートファジーの制御機構に興味を持ち、研究を進めております。私たちは最近、哺乳類Atg13を同定し、Atg13がAtg1の哺乳類ホモログであるULK、Atg17のカウンターパート因子のFIP200とともに安定な複合体を形成していることを報告しました。さらに、この複合体が栄養依存的にmTORC1構成因子であるraptorと結合することを見出しました。このため、ULK1-Atg13-FIP200複合体は、哺乳類におけるオートファジー誘導シグナルにおいて、重要な役割を担っていると考えられます。私達は、ULK1-Atg13-FIP200複合体の機能をさらに詳細に解明するため、この複合体の新たな構成因子の同定を試みました。その結果、Atg13結合因子として新規タンパク質を同定し、Atg101と命名しました。siRNAを用いたAtg101の発現抑制によって、飢餓時のオートファジー誘導が抑制されたことから、Atg101がオートファジー誘導に必須な因子であることを確認しました。
 Atg101は、Atg13を介してULK1-Atg13-FIP200 複合体に結合しており、この結合は栄養状態に依存しませんでした。さらに、Atg101の発現抑制によって、Atg13の発現が抑制されました。このことから、Atg101はAtg13の安定化に貢献していると考えられます。さらに、Atg101の発現抑制によって、ウェスタンブロットでのAtg13、ULK1のバンドのシフトダウンが認められたため、Atg101がAtg13とULK1のリン酸化にも重要であるということが示唆されました。

 Atg101については、最近、米国Cincinati大学のグループからも同様の報告がなされています。ULK1-Atg13-Atg101-FIP200複合体が、オートファジー誘導シグナルの重要な複合体として、非常に注目されていることが伺われます。
   
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Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局