PubMedID | 19755117 | Journal | Biochem Biophys Res Commun, 2009 Sep 13; [Epub ahead of print] | |
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Title | Characterization of the Atg17-Atg29-Atg31 complex specifically required for starvation-induced autophagy in Saccharomyces cerevisiae. | |||
Author | Kabeya Y, Noda NN, ..., Inagaki F, Ohsumi Y |
最近、私たちの論文が受理されましたので、紹介したいと思います。
出芽酵母におけるオートファゴソームは pre-autophagosomal structure (PAS) を足場に形成されると考えられている。今回我々は、オートファゴソーム形成の初期過程を明らかにするため、PAS 足場構成タンパク質 Atg17, Atg29, Atg31 の解析を行った。
その結果、以下の点が明らかとなった。
1)3 者は栄養条件に関わらず複合体を形成している、
2)その複合体はリン酸化されたAtg31 を含む、
3)大腸菌内で再構築した複合体には3 者が等モル含まれる、
4)3 者を1:1:1で含む複合体の分子量は 97 kDa と推測されるが、分析用超遠心にて測定すると 198 kDa であった。この結果からこの複合体にはAtg17:Atg29:Atg31が 2:2:2の比で含まれることが示唆される。
これらの結果から、我々はこの複合体がオートファゴソーム形成のための一つの機能単位であることを提示した。
栄養飢餓によって誘導されるオートファゴソーム形成にのみ必要な Atg17, Atg29, Atg31 は、意外にも栄養条件に関わらず複合体を形成していることが分かり、栄養飢餓シグナルに応答したオートファゴソーム形成開始の分子機構は、まだまだ多くの謎を含んでいるようです。私たちは、Atg31 のリン酸化の生理的意義や、複合体の構造が明らかになることが、その解決の糸口になるのではないか、と考えています。また、Atg29, Atg31 の高等動植物におけるホモログは現在見つかっていませんが、Atg17 と FIP200 のように機能的ホモログが保存されていて、ごく初期のオートファゴソーム形成に重要な働きを担っているものと信じています。
1 | 東京医科歯科大学 細胞生理 水島昇 | 13と101も | 2009/09/24 |
素数だったとは、どうりで惹かれるものがあったわけです。
これに結合するAtg13もそうですし、哺乳類ではAtg13に結合するAtg101も偶然にも素数でした。Atg100にしなくて良かったです。 この複合体は酵母と哺乳類の間でもっとも異なるところなので、生物学的にもとても面白いです。 |
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