PubMedID |
17132049 |
Journal |
PLoS Biol, 2006 Nov;4(12);e423, |
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Title |
Autophagy counterbalances endoplasmic reticulum expansion during the unfolded protein response. |
Author |
Bernales S, McDonald KL, Walter P |
東京医科歯科大学 細胞生理学分野 水島昇 2007/02/13
ストレスERは隔離すればよい
Peter Walter研の論文。出芽酵母ではERは主に細胞の周囲に存在するが、ERストレス時(DTTやTunicamycin添加による)には体積が5倍にもなる(長さも幅も増える)。そのときERの一部を取り囲んだオートファゴソーム様構造(ERA)が出現する(300-700 nm)。ERAの外膜にはリボゾームがついているのでER由来らしい(Sec63の電顕はいまひとつ明確ではない。内部にERがあるのは間違いない)。HAC1のスプライシングはERの増大を引き起こすには十分だが、ERA形成には不十分である。ERストレス時にGFP-Atg8のドット(PAS?)の数が増えるが、これはERAとは重ならない。なにより不思議なのは、ERAは液胞で分解されないことである。しかしatg変異株は高濃度Tunicamycinに感受性となることから、ストレス状態のERを隔離するだけでも細胞にメリットがあるようだ。これは、このような困ったERを娘細胞への分配しないためとも推測されている。ERが細胞質中にまんべんなく存在する動物細胞ではこのような部分的隔離では到底間に合わないように思える。いずれにしても酵母ERAの電顕像は一見の価値有り。atg変異株でこのようなERAは形成されないと記載されているが、データは示されていない。