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PubMedID 20018847 Journal J Biol Chem, 2009 Dec 14; [Epub ahead of print]
Title A novel type of E3-ligase for the Ufm1-conjugation system.
Author Tatsumi K, Sou YS, ..., Tanaka K, Komatsu M
筑波大学大学院、東京都臨床医学総合研究所  先端研究センター    辰巳加奈子     2009/12/21

Ufm1の新規ターゲットタンパク質とE3様酵素の同定
最近私たちのグループが発表した論文を紹介させていただきます。

Ufm1はUbiquitin-like proteinの1つで、私たちはこれまでにNEDD8やSUMOといった他のUbL同様、ユビキチンと非常に良く似たタンパク質修飾システムを有することを報告して参りました。Ufm1はCysteine protease(UfSP1/2)により、前駆体型Ufm1のC末端を切断され成熟型Ufm1となり、その後E1(Uba5), E2(Ufc1)を介して標的タンパク質を修飾します。しかし、これまで、E3様酵素が存在するのかどうか、またターゲットタンパク質は何かということは明らかになっていませんでした。

論文では以下のことを示しました。
1) Ufm1およびUfc1結合タンパク質としてC20orf116とKIAA0776を同定した
2) C20orf116はUfm1とin vivo, in vitroで共有結合体を作る
3) C20orf116のUfm1修飾はKIAA0776共発現により増強され、ノックダウンにより減弱する
4) C20orf116のUfm1修飾はUfSP1/2により外れ、可逆的な修飾である
5) C20orf116とKIAA0776は主にERで共局在している
6) C20orf116のUfm1修飾はUba5-knockout MEF中では消失することから、Uba5はC20orf116のUfm1修飾に必須のタンパク質である

以上のことからC20orf116はUfm1のターゲットタンパク質であるということ、KIAA0776はE3様酵素であると結論付け、KIAA0776はUfm1 ligase1 (Ufl1)と命名しました。またUfl1とC20orf116が主にERに局在することからUfm1修飾は膜輸送等の制御を行っている可能性を示しました。しかしながら、未だUfm1化の意義は明らかとなっておらず、更なるメカニズムの解明が必要です。


   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局