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PubMedID 20139071 Journal J Biol Chem, 2010 Feb 4; [Epub ahead of print]
Title Cul8/Rtt101 forms a variety of protein complexes that regulate DNA damage response and transcriptional silencing.
Author Mimura S, Yamaguchi T, ..., Obuse C, Kamura T
名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻  嘉村巧研    三村 覚     2010/02/12

出芽酵母Cul8複合体の解析
最近受理されました私たちの研究を紹介させていただきます。
出芽酵母にはCul1 (Cdc53), Cul3, Cul8 (Rtt101)の3種のcullinが存在します。Cul8はその欠失株がDNA傷害剤に感受性を示すことから損傷を受けたDNAの修復に関与することが示唆されていますがその作用機序は明らかではなく、また、Cul8もSCFのような複合体を形成して働くと考えられますが、どのようなタンパク質と複合体を形成しているのかも不明な部分が多いのが現状です。今回我々はCul8の結合タンパク質を、生化学的手法およびツーハイブリッドスクリーニングを用いて同定し、これらのCul8結合タンパク質がどのように複合体を形成しているのか調べました。その結果、Cul8は、Cul8-Mms1-Mms22-Esc4, Cul8-Mms1-Mms22-Ctf4, Cul8-Mms1-Esc2, Cul8-Mms1-Orc5と少なくとも4つの複合体を形成していることを明らかにしました。遺伝学的解析によりCul8とCtf4が同じ経路でDNA傷害応答に働いていることを示しました。この結果はCul8-Mms1-Mms22-Ctf4が複合体として働いているという考えを支持しています。さらにCul8がテロメアの転写のサイレンシングに関わることも明らかにしました。
これらの結果はCul8がMms1を介して多種多様なタンパク質複合体を形成していることを示しており、今後これらの複合体の機能を調べること、またこれらの複合体に認識される基質タンパク質を同定することが重要になると考えられます。
   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局