PubMedID |
17277783 |
Journal |
Nat Methods, 2007 Feb 4; [Epub ahead of print] |
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Title |
Ubc9 fusion-directed SUMOylation (UFDS): a method to analyze function of protein SUMOylation. |
Author |
Jakobs A, Koehnke J, ..., Gaestel M, Niedenthal R |
順天堂大学医学部生化学第一 木南英紀研究室 小松雅明 2007/02/21
こんなにConjugation
タンパク質修飾は、タンパク質機能の多様性を生む。すなわち、限られた遺伝情報を増幅させることができる。その代表例はユビキチン化である。標的タンパク質へのユビキチン化は、プロテアソームでの分解の目印となるだけでなく、エンドサイトーシス、DNA修復、タンパク質間相互作用など多彩な機能を担う。ここ10年の間にユビキチン化に類似したカスケードにより標的タンパク質を修飾する分子Ubiquitin-like protein (Ubl)が、相次いで同定された。ユビキチンによるタンパク質修飾は主にプロテアソームによる分解シグナルとなるが、Ublによるタンパク質修飾(ユビキチン様修飾)は分子集合や機能変換を担うと考えられる。
これら修飾反応系の破綻は生死に直結することから、厳密に制御されている。逆に言えば、HEK293細胞などの培養細胞系に基質タンパク質を過剰発現させただけでは、UbやUblで修飾された基質分子をとらえることができないことが多々ある。
本論文では、ごく単純にSUMO基質タンパク質 (p53やSTAT1)とSUMO E2 (Ubc9)をフュージョンさせたモデル基質が、E3 (PIAS)に依存せずに高効率にSUMO化されることを示す。この系 (Ubc9 fusion-directed SUMOylation)を利用することで、SUMO化の意義(今回の場合、STATのSUMO化)を明確にしている。
この系は、SUMOに留まらず他のUblにも応用できる強力なツールになるかもしれない。但し、E2と基質タンパク質のfusionなので、アーティファクを捉える可能性は否定できない。