PubMedID |
17256008 |
Journal |
Cell Death Differ, 2007 Jan 26; [Epub ahead of print] |
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Title |
Regulation of autophagy by the inositol trisphosphate receptor. |
Author |
Criollo A, Maiuri MC, ..., Szabadkai G, Kroemer G |
基礎生物学研究所 分子細胞生物学研究部門 大隅 良典研 壁谷 幸子 2007/03/01
イノシトールトリスリン酸受容体によるオートファジーの制御
イノシトールリン脂質経路は、細胞内Ca2+ 濃度を上昇させ、細胞内の様々な標的タンパク質に影響を与えることが知られているが、オートファジーに関与しているかどうかは不明であった。本報告では、以下2点の結果より、イノシトールトリスリン酸受容体がオートファジー制御に関与していることを提唱している。 (1) 細胞内イノシトール1, 4, 5- トリスリン酸(IP3) のレベルの低下やIP3 受容体をノックダウンによりオートファジーが亢進する。(2) その亢進はER-target Bcl-2 とIP3 受容体の結合が弱まることにより抑制される。
これまで、ER-target Bcl-2はBeclin 1に結合し、オートファジーを負に制御しているとしていたLevine たちの報告があり、さらにオートファジー誘導機構について議論が広がるものと思われる。また、GFP-LC3 のドットとER やミトコンドリアとの共局在はかなり強引なので、他の方法、例えばAtg5 依存的かどうか、によりオートファジーを検証する要性がある。