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PubMedID 17244528 Journal Mol Cell, 2007 Jan 26;25(2);193-205,
Title Control of macroautophagy by calcium, calmodulin-dependent kinase kinase-beta, and Bcl-2.
Author Hoyer-Hansen M, Bastholm L, ..., Mathiasen IS, Jaattela M
基礎生物学研究所 分子細胞生物学研究部門  大隅 良典研    壁谷 幸子     2007/03/01

細胞内カルシウム濃度によるオートファジーの制御
細胞内メッセンジャーとして多様な役割を担っている細胞内Ca2+ は、アポトーシスでは、カスペースの活性化やシトクロームCのリリースなどに関与していることが知られている。本報告では、種々の方法で、細胞内Ca2+濃度をあげたときに起こるオートファジーについて、Atg タンパク質の関与、mTOR の関与を示し、オーソドックスなオートファジーであることを示している。その上、カルモジュリン依存キナーゼキナーゼやER-targeted Bcl-2 の発現により抑制されることから、オートファジーがそれらによって制御されているのではないかと、提唱している。
Bcl-2 のオートファジー抑制効果はこれまでLevine たちの意見では、Beclin 1に結合することであったが、彼らは細胞内Ca2+シグナルによって抑制している、としている点は新しい。しかし、72時間と非常に長い時間処理しないと細胞内Ca2+濃度の変化を検出できない結果は、ダイレクトにオートファジーを誘導しているとは、言い難い。今後、さらなる細胞内Ca2+濃度の変化とオートファジー誘導メカニズムがさらに明らかになることを期待する。
   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局