PubMedID |
17192412 |
Journal |
Mol Biol Cell, 2007 Mar;18(3);919-29, |
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Title |
Atg19 mediates a dual interaction cargo sorting mechanism in selective autophagy. |
Author |
Chang CY, Huang WP |
基礎生物学研究所、分子細胞生物学研究部門 大隅良典研 鈴木邦律 2007/03/02
富栄養条件と飢餓時ではApe1の選択的輸送様式が異なる
出芽酵母において、オートファゴソームに選択的に取り込まれるタンパク質としてよく知られているのがアミノペプチダーゼ1(Ape1)である。Ape1は前駆型Ape1(prApe1)として合成され、栄養飢餓時にはオートファジーにより液胞内に輸送されて成熟型Ape1(mApe1)となる。
Atg11とAtg9の相互作用に着目している点で先日のKlionsky研究室による論文と似ているが、栄養飢餓時のApe1輸送に注目している点が異なる。
栄養飢餓時のApe1輸送には、Atg19-Atg11-Atg9の相互作用と Atg19-Atg8の相互作用とがそれぞれ独立に寄与しているらしい。Atg11はAtg9と相互作用することにより、Atg9をApe1の局在している場所(pre-autophagosomal structure, PAS)に集め、Ape1を効率よく輸送していると考えられる。
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Ape1の輸送に注目した解析から、栄養増殖時のPAS(仮にこう呼んでおきます)と栄養飢餓時のPASとが異なった機構で形成されているということが見えてきました。彼らにとって残念なのは、atg1破壊株をバックグラウンドにしていたことです。栄養飢餓時にAtg1がAtg9のPAS局在に寄与している可能性を考慮に入れるべきでした。そのため最後に導かれた結論が、Atg9のPAS局在はAtg11依存的だが、Atg11との結合は必要ない。というあやふやなものになってしまいました。