PubMedID |
20615880 |
Journal |
J Biol Chem, 2010 Jul 8; [Epub ahead of print] |
|
Title |
Autophagy-related protein (Atg) 8-family interacting motif in Atg3 mediates the Atg3-Atg8 interaction and is crucial for the cytoplasm-to-vacuole targeting pathway. |
Author |
Yamaguchi M, Noda NN, ..., Ohsumi Y, Inagaki F |
北海道大学大学院 薬学研究院 構造生物学研究室 稲垣冬彦研 山口雅也 2010/07/29
AIMを介したAtg3-Atg8相互作用はCvt pathwayに必要である
最近受理された私たちの論文について紹介させていただきます。
酵母のCvt pathway、Mitophagyなどが選択的オートファジー経路として注目を集めていますが、その選択的積み荷認識機構にはAtg8とAtg8-family interacting motif (AIM)と名付けられたTrp-X-X-Leu様配列との相互作用が重要になります。
酵母Atg3にもWEDL配列があることから、Atg8はこの配列を認識すると考えNMR法と生化学的手法を用いてAtg3-Atg8相互作用の詳細な解析とその役割についての検証を行いました。その結果以下のことが明らかとなりました。
1: Atg3 HR中のWEDL配列はAIMであり、Atg8との相互作用に関与する
2: AIMを介したAtg3-Atg8相互作用はin vivoでのAtg8-PE結合体形成及び飢餓誘導オートファジーにもでは必要ない
3: AIMを介したAtg3-Atg8相互作用はCvt pathwayにとって必要である
4: Atg3 AIMとAtg19 AIMは、in vitroにおいてAtg8との結合競合を起こす
酵母Atg3にだけAIMがある(哺乳類のAtg3にはAIMはない)のは、これによって(酵母特有である)Cvt pathwayに関与するために重要であることがわかりました。AIMはこれまでレセプタータンパク質(Atg19, Atg32, p62 etc…)で同定されてきましたが、Atg3のようにレセプタータンパク質以外でもAIMが利用されていたので、レセプタータンパク質以外でもこのmotifが広く利用さている可能性は十分あるのではないかと感じました。
少なくとも”AIM”は”selective”というキーワードとの関連は深いのではないか?(私見ですが)