PubMedID |
21098295 |
Journal |
Proc Natl Acad Sci U S A, 2010 Dec 7;107(49);20992-7, |
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Title |
From the Cover: Structure of the 26S proteasome from Schizosaccharomyces pombe at subnanometer resolution. |
Author |
Bohn S, Beck F, ..., Baumeister W, Nickell S |
Max-Planck Institute/臨床研 Baumeister研 坂田 絵理 2010/12/09
9.1 Aの26Sプロテアソームの立体構造
最近私たちのグループが発表したPombe 26SプロテアソームのCryo電子顕微鏡を用いた立体構造解析について報告させて頂きます。
26Sプロテアソームの立体構造解析はその構造の柔軟性、不安定性、さらには数多く同定されているプロテアソーム結合因子(PIPs)のサブストイキオメトリーな結合により困難を極めていました。私たちのグループはCryo電子顕微鏡による単粒子解析により高分解能の26Sプロテアソームの立体構造決定に取り組んできました。
本論文で発表したのはPombeの26Sプロテアソームで、27万分子から再構成をおこない9.1オングストロームの立体構造を得ることに成功しました。これらの分子を類似した構造ことに分類したところ、19Sにおけるbase部分に可変領域が存在することが示されました。これはプロテアソームの基本サブユニットの構造変化、およびPIPsのダイナミックな結合によると考えられます。またこの領域は、ユビキチン化基質の認識にも関わっていると考えられておりこうしたダイナミックな構造変化が基質の分解にどのように関わっていくのかは興味深いところです。さらに、クロスリンカーを用いた質量分析によりRpn11の局在を示すことができました。Rpn11はおそらくATPaseの空間的近傍に存在していると考えられます。
26Sプロテアソームの複雑な作動メカニズムを解き明かすには、さらなる高分解能の立体構造と各サブユニットの局在を明らかにしていくことが求められます。