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PubMedID 22298428 Journal Mol Biol Cell, 2012 Feb 1; [Epub ahead of print]
Title The Ankrd 13 family of UIM-bearing proteins regulates EGF receptor endocytosis from the plasma membrane.
Author Tanno H, Yamaguchi T, ..., Ishido S, Komada M
東京工業大学 生命理工学研究科   駒田研    丹野 秀崇     2012/02/03

エンドサイトーシスを制御する新たなユビキチン・デコード因子
 最近発表しました私達の論文についてご紹介させていただきます。

 細胞膜タンパク質のリソソーム分解の最初のステップは、その細胞膜からのエンドサイトーシスです。この時、細胞膜タンパク質のUb化(K63ポリUb化あるいはモノUb化)が分解すべきタンパク質を選択的に細胞内にインターナライズするエンドサイトーシス・シグナルとして働きます。今回、N末端にアンキリンリピートをもち、C末端に3-4個のUb結合モチーフUIMをもつ機能不明のタンパク質ファミリーAnkrd 13A、13B、13Dの解析を行い、以下のことが明らかとなりました。

 ヒトHeLa細胞を上皮細胞増殖因子EGFで刺激すると、刺激後5分をピークとしてUIMを介したAnkrd13とEGF受容体の直接結合が見られました。Ankrd13はin vitroでK63ポリUb鎖と特異的に結合し、これはEGF受容体がうけるUb化パターンと合致しました。また、Ankrd13は中央の領域を介して細胞膜にアンカーされており、細胞膜上でEGF受容体と共局在しました。最後に、Ankrd13やそのドメイン欠失体の過剰発現がEGF依存的なEGF受容体の細胞膜からのエンドサイトーシスを阻害しました。

 以上のことから、Ankrd13はK63ポリUb化をうけた細胞膜タンパク質をUIMを介して認識し、そのエンドサイトーシスを制御する新たな因子、すなわちエンドサイトーシスを作動するUb化の情報を読み解くデコード(解読)因子であると考えられます。今後の課題は、Ankrd13がいかにUb化された膜タンパク質をエンドサイトーシスのマシーナリーに結びつけているのか、そのメカニズムの解明です。そのために、アンキリンリピートなどのAnkrd13のUIM以外の領域と相互作用する因子の同定を様々な方法で試みています。
   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局