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PubMedID 23142983 Journal Nat Struct Mol Biol, 2012 Dec;19(12);1250-6,
Title Noncanonical recognition and UBL loading of distinct E2s by autophagy-essential Atg7.
Author Yamaguchi M, Matoba K, ..., Noda NN, Inagaki F
北海道大学 先端生命科学研究院  稲垣冬彦研    山口雅也     2012/12/20

Atg7によるAtg3&Atg10の認識方法の解明
最近受理された私たちの論文を紹介させていただきます。

オートファジーAtg8系とAtg12系の共通のE1様タンパク質であるAtg7は2つのE2様タンパク質Atg10 (Atg12系)とAtg3 (Atg8系)を認識していることが知られています.しかしAtg7がどのようにAtg10とAtg3を区別しているのかはわかっていませんでした.そこで我々はAtg7のN端ドメイン(Atg7NTD)とAtg10の複合体結晶構造、ならびにAtg7NTD-Atg3複合体結晶構造を決定しました.
得られた2つの構造と種々の生化学実験から興味深いことがわかったので紹介します.
1) Atg7NTD-Atg10複合体, Atg7NTD-Atg3複合体は既存のE1-E2相互作用とは異なっていた.
2) Atg7NTD-Atg10複合体, Atg7NTD-Atg3複合体の相互作用様式はよく似ていた.
3) Atg7はAtg8をAtg3へtrans機構で受け渡すのと同様に、Atg12をAtg10へtrans機構で受け渡していた.
4) In vitroではAtg7に結合したAtg8はAtg10へ受け渡され、Atg12はAtg3へ受け渡されることがわかった.
[Atg7はランダムにAtg8(Atg12)をAtg3(Atg10)へ受け渡す]

こちらのサイトでも日本語版レビューを執筆させて頂いたので、よろしければ参考にして下さい.
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6186#more-6186

私事ですが、今年の6月からアメリカのSt. Jude Children's Research Hospitalで細胞周期関連のE3複合体Anaphase Promoting Complexの研究をしています.なかなか自分の意見を伝えるのは大変ですが、よいラボメイトに恵まれて田舎の割には楽しくやれています.昆虫細胞でのタンパク質発現など新しいこともできているので、新鮮です.万が一Memphisを訪れるようなことがあればご連絡ください, BBQが有名です.
   
   本文引用



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