PubMedID |
23453757 |
Journal |
Cell, 2013 Mar 28;153(1);206-15, |
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Title |
Cand1 promotes assembly of new SCF complexes through dynamic exchange of F box proteins. |
Author |
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東京大学大学院薬学系研究科 蛋白質代謝学教室 治田義太郎 2013/05/10
Cand1によるSCF complexの制御
SCFのF-box proteinの制御に関する論文です。
Cand1はCul1に結合するタンパクとして知られていました。その機能はin vitroではSCF形成の(従ってSCFによるユビキチン化の)阻害剤、一方in vivoではSCFの機能の正の制御因子と矛盾する報告がなされていました。この論文ではCand1がSCFからF-box proteinを解離させることで、ほかのF-box proteinが新たにSCFを構成するのを助けている、という説を打ち立てています。実際にCand1をノックダウンすることでF-box proteinの入れ替わりが起こりにくくなることを示しています。
筆者たちはCand1がほかのCullinファミリーとも結合すること、またこれまでにCand1の阻害によってCul1以外のCRL(Cullin-Ring ubiquitin ligase)によるユビキチン化にも影響が出ると報告されていることから、CRL全般のSR(substrate receptor)を制御するexchange factorではないかと提唱しています。しかしこれまでの研究ではCand1の機能を様々な生物種で阻害すると、シロイヌナズナではCul1のCRLのSRが不安定化する一方で、ハエではCul1のSRには影響が出ずCul3のSRが安定化したという報告がなされています。このようにCand1によるCRL全般のSRの制御にはまだまだ謎が残されていそうです。