PubMedID |
17053147 |
Journal |
Science, 2006 Oct 20;314(5798);467-71, |
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Title |
S6K1- and betaTRCP-mediated degradation of PDCD4 promotes protein translation and cell growth. |
Author |
Dorrello NV, Peschiaroli A, ..., Sherman NE, Pagano M |
東京医科歯科大・医歯学総合研究科 細胞生理(水島研) 砂山 潤 2006/12/22
ユビキチンリガーゼのSCF-βTRCP2の基質としてはWntシグナルに重要なβカテニンや転写因子NF-κBの阻害因子I-κB などが知られている。筆者たちはSCF-βTRCP2の新しい基質として癌抑制因子のPDCD4を同定した。PDCD4は翻訳開始因子eIF4A(RNAヘリケース)の抑制因子である。マイトジェン刺激によりPDCD4はリン酸化依存的にβTRCP2によってUb化された後に分解された。PDCD4のリン酸化をになっているのはmTORの下流因子であるS6キナーゼ1(S6K1)であることも特定された。このPDCD4の分解がマイトジェン刺激時の効率的な翻訳と細胞成長に重要であることが提唱されている。様々な細胞現象にβTRCP2の基質の分解が関与しているが、本論文では、βTRCP2は細胞増殖と生存を制御する最も重要な経路の一つであるPI3K-Akt-mTorシグナルとも関連しているということが注目すべき点である。