PubMedID |
23549786 |
Journal |
J Cell Sci, 2013 Jun 1;126(Pt 11);2534-44, |
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Title |
Fine mapping of autophagy-related proteins during autophagosome formation in Saccharomyces cerevisiae. |
Author |
Suzuki K, Akioka M, ..., Yamamoto H, Ohsumi Y |
東京大学大学院新領域創成科学研究科 生命応答システム分野(鈴木邦律研) 鈴木 邦律 2013/12/11
オートファゴソーム形成におけるAtgタンパク質の作用部位
掲載から少し時間が経ってしまいましたが、私たちの論文を紹介します。
出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeを用いてAtgタンパク質の働きを解析する上での大きな問題点のひとつは、蛍光顕微鏡下にPASと隔離膜とオートファゴソームとを区別できないことでした。我々はオートファゴソームの選択的積荷タンパク質アミノペプチダーゼIを過剰発現することで、隔離膜を可視化することに成功しました。隔離膜上のAtgタンパク質の局在を観察したところ、隔離膜と液胞膜との接点(vacuole–IM contact site; VICS)に局在するもの、VICSと隔離膜に局在するもの、隔離膜の縁に複数のドットを形成するものの三つのグループに分かれました。ERと隔離膜との位置関係を確認したところ、ERが隔離膜と複数の箇所で接している様子が観察されました。ERからゴルジへの輸送を担っているCOPII小胞はER上のER exit sitesで形成されます。ER exit sitesと隔離膜との位置関係を観察したところ、複数のER exit sitesが隔離膜と接していることが分かりました。Atg2-Atg18複合体は隔離膜上で複数のドットとして観察されます。Atg18とER exit sitesとの位置関係を確認すると、隔離膜上のAtg18にER exit sitesが接している状況が極めて高い頻度で見られました。
本研究により、オートファゴソーム形成におけるAtgタンパク質の作用部位に関する新たな知見が得られたと思っています。興味深いのはAtg2-Atg18複合体とAtg9が隔離膜とER exit sitesの接点に局在することです。Atg2-Atg18複合体はAtg9 vesicleとCOPII vesicleが隔離膜と融合するために何らかの役割を果たしているのかもしれません。