PubMedID |
17446862 |
Journal |
EMBO J, 2007 May 16;26(10);2527-2539, |
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Title |
Functional and physical interaction between Bcl-X(L) and a BH3-like domain in Beclin-1. |
Author |
Maiuri MC, Le Toumelin G, ..., Geneste O, Kroemer G |
基礎生物学研究所 分子細胞生物学研究部門 大隅良典 研 壁谷 幸子 2007/05/31
新たなるBeclin 1の相互作用によるオートファジー誘導調節機構
オートファゴソーム形成に関わるBeclin1 と抗アポトーシスに働くBcl-2/Bcl-xLとの相互作用することから、オートファジーとアポトーシスの関係には多くの人が感心を寄せているらしい。今回の論文は、Beclin1 のBH3 様のドメインを介したBcl-2/Bcl-xLとの結合の低下がオートファジー誘導に十分であることを報告している。擬似BH3 である薬剤ABT737 を作用させるとBcl-2/Bcl-xLの結合はABT737 に傾き、栄養条件下でもオートファジーを誘導する。また、栄養飢餓条件下でBeclin-Bcl-2/Bcl-xLの結合は低下する。
彼らは以前にもアポトーシスの誘導に先立ちオートファジーが起こる、という報告をしているが、『オートファジー』のモニターがいつもGFP-LC3(彼らの論文では殆どがLC3-GFPとなっている)のドットと電顕のみである。Atg タンパク質の依存性やバルクなタンパク分解を示した上で、Beclinの相互作用を通したオートファジーにおける役割の解析を今後期待したい。