PubMedID |
24440502 |
Journal |
Mol Cell, 2014 Jan 14; [Epub ahead of print] |
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Title |
Early Steps in Autophagy Depend on Direct Phosphorylation of Atg9 by the Atg1 Kinase. |
Author |
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東京大学大学院新領域創成科学研究科 生命応答システム分野(鈴木邦律研) 鈴木邦律 2014/02/07
scAtg1の基質・・・でもすっきりしない
著者らはconsensus peptide arrayの技術を使ってAtg1, Atg2, Atg9をAtg1の基質として同定した。Atg1は自己リン酸化によるもの、Atg2では候補残基に変異を入れても表現型が出なかったことから、Atg9に注目した解析を行った。
結果、6箇所のリン酸化残基の候補が得られ、それらすべてをアラニン置換したAtg9(6A)変異体では、オートファジー活性が顕著に低下した。Atg9(6A)はPASへと正常に局在するが、この変異体中ではAtg18のPAS局在が顕著に低下した。Atg9とAtg18との相互作用は、atg1破壊株中で低下することが知られていたが、Atg9(6A)とAtg18との相互作用はAtg1存在下でも検出不可能だった。Giant Ape1 complexを形成させて隔離膜を可視化すると、Atg9(6A)変異体ではAtg8がApe1 complexに集まってくる効率が低下し、集まってきたとしても隔離膜が進展しないことが分かった。Atg1によるAtg9のリン酸化はAtg8やAtg18などの下流のAtgタンパク質をPASに集結させるために必要だと考えられる。
Atg1のキナーゼ活性は出芽酵母のオートファジーに必須です。Atg9のリン酸化が下流のAtgタンパク質の集結に働いていることは確かだと思いますが、Atg1にはもっと重要な機能がある気がします。そういった意味でまだまだすっきりしません。