PubMedID |
24530295 |
Journal |
Dev Cell, 2014 Feb 24;28(4);450-8, |
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Title |
Mitochondrial ER Contacts Are Crucial for Mitophagy in Yeast. |
Author |
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東京大学大学院新領域創成科学研究科 生命応答システム分野(鈴木邦律研) 鈴木 邦律 2014/03/26
MitophagyにはERとのContactが必要である
これまで出芽酵母のmitophagyに関わる遺伝子のスクリーニングは、glycerolやlactateを炭素源とした培地で行われており、これらの培地で生えられない変異体(主にミトコンドリアの呼吸機能に関わるもの)は除外されていた。著者らは培養条件を工夫することにより、これらの変異株におけるmitophagy活性を調べ、ER-mitochondria encounter structure (ERMES)変異株ではmitophagyが欠損していることを見出した。Mitophagy誘導条件では、ERMESのsubunitはAtg5, Atg8, Atg9, Atg14のドットと共局在した。ERMESの変異株中では、Atg14の局在は正常であったがAtg5, Atg8, Atg9の局在は異常であった。ERMESはこれらのタンパク質の上流で働くのかもしれない。また、ERMES変異株において、ERとミトコンドリアを無理やり繋げるとmitophagyの活性がある程度回復する。このことから、著者らは、ERMESはERからmitophagosomeへの膜供給に何らかの形で関与しているのではないかと推測している。
飢餓誘導性のオートファジーにおいては、ER exit siteがPAS形成の比較的上流で機能している可能性が示唆されている(Graef et al. (2013) Mol. Biol. Cell)。ER exit siteの変異体(sec12-4)では、Atg1とAtg13の局在は正常だが、Atg2, Atg5, Atg8, Atg14の局在が異常になるとのこと。今回の結果もこれと似たようなことを示しているような気がする。Atg1複合体周辺のタンパク質とERMESなりER exit siteが相互作用することにより、オートファジーのmode specificなscaffoldが形成されるのかもしれない。