PubMedID |
25077633 |
Journal |
Sci Rep, 2014;5896, |
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Title |
Mitochondrial impairment triggers cytosolic oxidative stress and cell death following proteasome inhibition. |
Author |
Maharjan S, Oku M, ..., Hoseki J, Sakai Y |
京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻 阪井研 寳関 淳 2014/08/06
プロテアソーム阻害が細胞死を引き起こす初期経路の同定
私どもが最近 publish した論文を投稿させて頂きます。プロテアソーム阻害により細胞死が引き起こされるメカニズムは長い間明らかになっていませんでした。Suraweeraらにより、プロテアソーム阻害による細胞死はアミノ酸のリサイクリングができないためであるという報告がなされました(Mol Cell (2012) 48, 242-253)。我々は、プロテアソーム阻害やUb K48Rの過剰発現によりサイトゾルが酸化的になること、この際、まずミトコンドリアが障害を受けてミトコンドリアよりROSが産生された後、サイトゾルが酸化的になり、細胞死に至るということを、先に私達が開発した細胞内でのレドックス状態を可視化する蛍光プローブRedoxfluorやroGFPなどを用いて明らかにしました。ミトコンドリア特異的な抗酸化剤MitoQやレスベラトロール・セサミンの添加、ミトコンドリア局在の抗酸化酵素の発現はミトコンドリア障害に起因するサイトゾル酸化及び細胞死を抑制します。上記Mol Cell の論文ではプロテアソーム阻害時のアミノ酸飢餓を主にCys添加により回復させており、このことはアミノ酸飢餓よりもむしろレドックスインバランスにより細胞死が引き起こされるという私たちの主張を裏付けるものではないかと考えています。同時に様々な抗酸化剤の効果は、in vitroや個体を用いて検討されてきましたが、培養細胞レベルで蛍光プローブにより酸化還元状態の検出と細胞死アッセイを行うことにより、簡便で信頼性の高い検証系になったと考えています。