PubMedID | 17568747 | Journal | Nature, 2007 Jun 14;447(7146);860-4, | |
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Title | HDAC6 rescues neurodegeneration and provides an essential link between autophagy and the UPS. | |||
Author | Pandey UB, Nie Z, ..., Baehrecke EH, Taylor JP |
この論文は、
1) ユビキチンープロテアソーム (UPS) 阻害による細胞死がHDAC6の過剰発現でrescueできる
2) UPS阻害は、オートファジーを誘導する
3) UPSおよびオートファジーの阻害は、UPS阻害単独で起こる細胞死を増強する
4) HDAC6の過剰発現は、UPS阻害によって生じた変性タンパク質の分解を促進する
5) UPSおよびオートファジーの阻害下では、HDAC6の過剰発現で細胞死をrescueできない
まとめて、UPS阻害条件下では、オートファジーが誘導されてHDAC6を介して変性タンパク質を壊すとしている。
概念的には既に報告されているが、Drosophila geneticsからクリアーにエレガントにまとめられている。
なぜ、オートファジーが誘導されるのか?HDAC6の機能など疑問は残る。
1 | 東京医科歯科大学 細胞生理学分野 水島昇 | 確かに美しい | 2007/06/19 |
確かに美しいデータだと思います。2005年Science(310:1960)のVabulas & Hartlの論文によれば、プロテアソームを阻害するとその産物である細胞内アミノ酸プールが減少します。もしそうであれば、単に細胞内アミノ酸飢餓がオートファジーを誘導している可能性があると思います。HDAC6がなぜオートファジーを促進するのかは是非知りたいところです。 | |||
2 | 大阪大学 微生物病研究所 細胞制御部門 吉森研 野田健司 | 実験法について教えてください | 2007/06/22 |
本日ラボのセミナーで紹介されましたが、実験系にくらいこともあり内容の理解は未だ消化不良状態です。
ラパマイシン投与でUPS欠損によるハエのラフアイ表現型が抑圧されますが、ラパマイシンはどのような方法で投与するのでしょうか? どなたかご存じの方お教えいただけますと幸いです。 |
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3 | 東京大学・分子細胞生物学研究所 生体超高分子研究分野 前田達哉 | エサに | 2007/06/22 |
エサに混ぜ込むのだと思います。例えば次の論文など。
Khurana V, Lu Y, Steinhilb ML, Oldham S, Shulman JM, Feany MB. TOR-mediated cell-cycle activation causes neurodegeneration in a Drosophila tauopathy model. Curr Biol. 2006 Feb 7;16(3):230-41. PMID: 16461276 |
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4 | 大阪大学微生物病研究所 吉森研 野田健司 | ありがとうございます | 2007/06/22 |
前田先生ありがとうございます。勉強になります。
筆者ら自身も論文中で言及してますようにラパマイシン投与で見られる効果がオートファジーによるものなのかどうか続報を待ちたいと思います。HDAC6がオートファジーの制御に実際に関わるのか、その時Torの経路との関わりは、等興味深いです。 |
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