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PubMedID 17335351 Journal PLoS Genet, 2007 Mar 2;3(3);e34,
Title A Caenorhabditis elegans wild type defies the temperature-size rule owing to a single nucleotide polymorphism in tra-3.
Author Kammenga JE, Doroszuk A, ..., Plasterk RH, Bakker J
東京都臨床医学総合研究所  カルパインPT    反町 洋之     2007/06/19

性決定、神経細胞壊死、そして今度は低温依存性body size増加!?
ヒトやネコは寒くなると小さくなりますが、地球上の生物の99%を占める変温動物は、低温で生育するとbody sizeが大きくなることが知られています。例えば線虫では10℃で生育すると25℃に比べ33%ほど大きくなります。この論文では、この現象がtra-3という線虫のカルパインの1アミノ酸置換で起こらなくなることを示したものです。
線虫のtra-3は既に、性決定やnecroticな神経細胞死に関与することが遺伝学的に示されているものですが、今回はまた「そうくるか」という感じの表現型です。当然この論文でも、この3題で噺は創れてはいません。データとしては、以下の通りです。
(1) 低温依存的body size増加を示す野生種N2(英国原産)と示さない野生種CB(ハワイ原産)を交配させ、責任遺伝子をマッピングしたところtra-3遺伝子のそばに落ちた。
(2) tra-3破壊株では低温で大きくならず、CB種へのN2型tra-3遺伝子のトランスジェニックにより低温で大きくなった。
(3) CB種のTRA-3はN2種に比べてF96Lの置換があった。
(4) 培地にthapsigargin(細胞内Ca2+を増加させる)を入れると大きくなった。
F96Lの位置(特に保存されていない)も変異(F->Lって...)も原産国も微妙です。データも微妙で、size差を出すのにかなり苦労した気がします。でも、きっとカルパインってその微妙なところに効いているのでしょうね。それにしても12個もある線虫のカルパインの中でなぜtra-3だけが3つも表現型を...
   
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