PubMedID |
17086191 |
Journal |
Nature, 2006 Nov 16;444(7117);337-42, |
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Title |
Resveratrol improves health and survival of mice on a high-calorie diet. |
Author |
Baur JA, Pearson KJ, ..., de Cabo R, Sinclair DA |
東京医科歯科大・医歯学総合研究科 細胞生理(水島研) 村上未玲 2006/12/22
赤ワインに含まれる抗老化ポリフェノールとして期待されていたレスベラトロールの哺乳類in vivoにおける効果を検証している論文。レスベラトロールは出芽酵母の脱アセチル化酵素Sir2(哺乳類ではSIRT1-7)を活性化する因子の1つとして単離された。これまでレスベラトロールの寿命延長効果は出芽酵母、ショウジョウバエ、線虫、メダカと様々な種で実証されてきた。この論文ではマウスでその効果を検証している。中齢マウスが高カロリー餌を摂取すると寿命が縮まるが、高カロリー餌とともにレスベラトロールを摂取すると寿命が正常化し、脂肪肝の改善、運動能力の改善、インスリン感受性亢進、AMPK活性化、PGC1α活性化、ミトコンドリアの数の増加なども観察された。あたかもカロリー制限時と同じ様な健康改善効果があった。しかし、高カロリー餌摂取マウスにレスベラトロールを処理しても体重減少は見られず、カロリー制限時の遺伝子発現パターンとも一部異なる結果もあった。またレスベラトロールの効果がSirtの活性化を介するものであるかどうかも今回の論文では不明である。普通食を摂取していた場合でもレスベラトロールに寿命延長効果があるかどうかについて大変知りたいところである(図1bからは高カロリー餌開始直後の急性死亡を抑制しているようにも見える)。