PubMedID | 17525341 | Journal | Science, 2007 May 25;316(5828);1198-202, | |
---|---|---|---|---|
Title | RAP80 targets BRCA1 to specific ubiquitin structures at DNA damage sites. | |||
Author | Sobhian B, Shao G, ..., Livingston DM, Greenberg RA |
この論文と同じ号に掲載された2報、
Kim H, et al. Ubiquitin-binding protein RAP80 mediates BRCA1-dependent DNA damage response. Science. 2007 316:1202-5.
Wang B, et al. Abraxas and RAP80 form a BRCA1 protein complex required for the DNA damage response. Science. 2007 316:1194-8.
さらに武田先生の研究室からすでに出ていた
Zhao GY, et al. A critical role for the ubiquitin-conjugating enzyme Ubc13 in initiating homologous recombination. Mol Cell. 2007 25:663-75.
で、私がかねてから疑問に思っていたDNA損傷からBRCA1がrecruitされるまでの初期の段階のメカニズムがかなり解明された気がします。4報とこれまでの報告をまとめるとDNA double strand break、ATM活性化、 H2AXリン酸化、MDC1リン酸化、Ubc13/MMS2依存的なK63ポリユビキチン鎖の形成(基質はH2AX + ??)、nuclease 活性上昇(Mre11??)-single strand DNA形成、RPAが結合、K63ポリユビキチン鎖にUIMドメインを持つRAP80とリン酸化したABRA1との複合体が結合、リン酸化したABRA1にBRCA1のBRCTドメインが結合、 UbcH5cが誘導されBRCA1/BARD1 のE3活性を活性化、さらにK6ポリユビキチン鎖を含むユビキチン複合体(FK2 stainはこれをみている?)が形成される。といったところでしょうか? 間違いがあったら御指摘いただけると助かります。そのユビキチン複合体がBRCA2-Rad51による相同組換えにどのようにかかわっているのかが興味が持たれます。
1 | 理研・横浜研究所・GSC タンパク質基盤研究グループ 松田憲之 | Rnf8 も新しい役者のようですね | 2008/02/19 |
DNA損傷部位に BRCA1 が recruit されるメカニズムですが,2007年の暮れに4つのグループからユビキチンリガーゼ Rnf8 が新しい重要な役者であることが報告されています(たまたま学生の指導で論文の1つに目を通していました・・・).
Mailand N, et al., Cell. 2007 Nov 30;131(5):887-900. Huen MS, et al., Cell. 2007 Nov 30;131(5):901-14. Kolas NK, et al., Science. 2007 Dec 7;318(5856):1637-40. Wang B et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 Dec 26;104(52):20759-63. 太田先生のスキームに追加させていただくと,MDC1リン酸化→ Rnf8 が FHA domain を介してリン酸化 MDC1 と結合し,DSB site にリクルートされる → Ubc13 と共に(恐らく)K63ポリユビキチン鎖を形成(基質はH2AX + ??) → そのユビキチン鎖に Rap80-ABRA1-BRCA1 がリクルートされる(以下,太田先生のコメントを参照)・・・という感じになるでしょうか.E3(BRCA1) のリクルートに E3(Rnf8) が関与するというカスケードは面白く思います. |
|||
2 | 放射線影響研究所、遺伝学部 細胞遺伝学研究室 大峰 秀夫 | 2009/05/19 | |
細胞に放射線を照射して出来たDSBにK63ポリユビキチンのFociを
顕微鏡で見た人はいますか? |
|||
3 | 放射線影響研究所、遺伝学部 細胞遺伝学研究室 大峰 秀夫 | 2009/05/19 | |
細胞に放射線を照射して出来たDSBにK63ポリユビキチンのFociを
顕微鏡で見た人はいますか? |
|||
4 | 聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科 太田智彦研 太田智彦 | K63-IRIF | 2009/05/20 |
K63 specificな抗体で、というご質問でしょうか? 抗K63抗体では見たことはありませんが、FK2抗体であればIRIFは簡単にdetect可能です。RNF8, Ubc13のsiRNAで消えますのでK63と考えられますが、K6 chainも同時に見ている可能性はあります。 | |||
5 | 放射線影響研究所、遺伝学部 細胞遺伝学研究室 大峰 秀夫 | 2009/05/22 | |
有難うございます
確かにFK2抗体では問題なく染められます。しかし、K63抗体では 全く染まりません。これは何故でしょう? |
|||