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PubMedID 27587839 Journal J Cell Sci, 2016 Oct 15;129(20);3781-3791,
Title Atg9A trafficking through the recycling endosomes is required for autophagosome formation.
Author Imai K, Hao F, ..., Noda T, Yoshimori T
大阪大学大学院 医学系研究科 生命機能研究科 歯学研究科  吉森研 野田研    野田健司     2016/11/05

オートファジーにはAtg9がリサイクリングエンドソームを通過することが必要
今春吉森研を卒業した今井くんの学位論文が主となる論文です。
6回膜貫通タンパク質であるAtg9は、オートファゴソーム形成でどの様な役割があるのか具体的には未だ判然としませんが、形成の現場にいるので、そこで大事であるのはおそらく間違いないのですが、それ以外に、ゴルジ体をはじめ他の場所にもたくさん存在するため、ではそれらは一体何なのかという疑問があります。二つ可能性があります。一つはAtg9が乗っている小胞がその脂質も含めてオートファゴソーム形成に大事である可能性と、そうではなく現場で働く前に単に備蓄されているだけである可能性です。
 今回哺乳類Atg9Aの細胞質側に露出するN末側67アミノ酸の役割を調べようと色々変異体を作製したところ、タイロシンベースやロイシンベースのいわゆるタンパク質輸送の選別シグナルがあることに気づきました。その変異体では、野生型のようにゴルジ体に溜まりこむのでなく、リサイクリングエンドソームに溜まりこみました。またその変異体は選別に関わるクラスリンアダプターAP-2との結合が減弱していました。その変異体をAtg9のKO細胞で発現させても、野生型のようにオートファジーの回復は見られませんでした。さらにTRAPP複合体のサブユニットTRAPPC8のノックダウンでも、Atg9Aはリサイクリングエンドソームに溜まりこみ、オートファジーが阻害されました。これらのことから、Atg9Aはリサイクリングエンドソームから出られないことでオートファゴソーム形成箇所にたどり着けないと考えられます。これは以前私達が酵母で提唱した、Atg9はゴルジとエンドソームの間をシャトルする小胞に乗った形で備蓄されているというモデルとも合致します。http://jcs.biologists.org/content/126/21/4963.long
この結果は先に述べた二つの可能性いずれとも整合性がありますので、その可能性をさらに丁寧に議論しながら解明していければと思います。
   
   本文引用



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