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PubMedID 17589504 Journal Nature, 2007 Jun 24; [Epub ahead of print]
Title Ambra1 regulates autophagy and development of the nervous system.
Author Maria Fimia G, Stoykova A, ..., Chowdhury K, Cecconi F
基礎生物学研究所 分子細胞生物学研究部門  大隅良典 研    壁谷 幸子     2007/06/28

またしてもBeclin 1結合タンパク質とオートファジー
 Ambra1 というWD40 ドメインを持つタンパク質が網羅的な解析から同定された。発生初期より脳に発現し、発生や細胞増殖に重要な因子のようである。本報告では、Ambra1に結合するタンパク質の一つがBeclin 1であったことから、オートファジーとの関係を調べている。Ambra1の発現を抑制するとオートファジー活性が減少し、過剰発現すると亢進することから、オートファジーのポジティブレギュレーターとして機能するようである。また、Beclin1 やVps34 との結合がこのタンパク質の機能に必須のようなので、さらなる解析が望まれる。

 以前報告されたBeclin1 の欠損により、オートファジーが起こらないが故にガン化する、という論文が多大なる影響を及ぼしているようで、Beclin1 に、より注目が集まる傾向にあるように思います。オートファジーへの関与を調べる段階で、少なくともAtg5 の依存性やバルクなタンパク分解を示すべきだと思うのは私だけでしょうか? これまでに、Beclin1 に結合すると言われているタンパク質が複数あります。それらの相互作用関係を明らかにしてBeclin1 のオートファジーにおける真の機能が明らかになれば、と思います。
   
   本文引用

1 東京医科歯科大学  細胞生理学分野  水島昇 神経系の過形成はオートファジー異常? 2007/07/15
Ambra1の発現はおそらく脳特異的ではないのでしょう。少なくてもMEFで実験をしているので、かなり普遍的な発現であろうかと予想します。それならオートファジーの調節因子として機能していてもよいかなと思います。しかしながら、Ambra1変異マウスでみられる脳の過形成はAtg5やAtg7欠損マウスでは見られません。従って、Beclin1と同様に、Ambra1にもオートファジーと関係ない働きがあり、それがこれらの胎生期の表現型に結びついているように感じられます・・・
      
   本文引用
2 基生研 分子細胞生物学研究部門  大隅良典研  鈴木 邦律 何をregulateしているのでしょうか? 2007/07/26
最初にAmbra1の変異体が取れてきて,その解析過程でAMBRA1とBECLIN-1との相互作用が見えてきたので,オートファジーとの関連を調べた,という論文ですね.
BECLINと結合するタンパク質であることから,オートファゴソーム形成の実行部隊であることはまずありえないでしょう.
AMBRA1の量を変えてやるとオートファジーの活性が変わることから,オートファジーのregulatorだと言っています.
素直に納得できるストーリーです.

そうすると,オートファジーの活性をどのようにregulateしているの?という疑問が生じます.そこまでやって欲しかったなぁというのが私の印象です.
そこまでやらないとvertebrate特異的な因子であるという意味が薄れる気がします.
      
   本文引用


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