PubMedID |
27932448 |
Journal |
EMBO J, 2016 Dec 08; [Epub ahead of print] |
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Title |
Dedicated SNAREs and specialized TRIM cargo receptors mediate secretory autophagy. |
Author |
Kimura T, Jia J, ..., Johansen T, Deretic V |
大阪大学医学部 腎臓内科 木村友則 2016/12/13
SNARE蛋白とTRIM蛋白はオートファジーによる分泌に寄与する。
留学先での仕事がまとまりましたので報告させていただきます。
オートファジーはオートファゴソームによって隔離した成分(cargo)をライソソームに運び、分解することによって機能を発揮しています。一方で、オートファジーは分泌にも関与していることが報告されてきましたが、その詳細は不明でした。今回の検討において、リーダレス蛋白であるインターロイキン-1β(IL-1β)のオートファジーによる分泌機構を同定しました。オートファジー因子とcargoのプラットフォームとして働いているTRIMファミリー蛋白に着目してスクリーニングした所、TRIM16がライソソーム障害下で誘導されるIL-1βの分泌に受容体として寄与していました。TRIM16はR-SNAREのSec22bとinteractして、IL-1β分泌を仲介するLC3-II陽性膜構造物(Zhang Mらelife e11205, 2015)にIL-1βを運んでいました。Sec22bは細胞膜上のsyntaxin 3, 4や、SNAP-23, -29と協調して分泌を行っています。この経路は、オートファゴソームとライソソームの膜融合に必要なsyntaxin 17に非依存性でした。以上から、オートファジーによる分泌経路は、cargoの受容体とSNAREシステムを利用していることが判明しました。この分泌経路は、他のリーダレス蛋白であるフェリチンなどの分泌にも関与しています。