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PubMedID 28369861 Journal FEBS Lett, 2017 Mar 30; [Epub ahead of print]
Title Dissection of ubiquitinated protein degradation by basal autophagy.
Author Takayama K, Matsuura A, Itakura E
千葉大学大学院理学研究院  板倉グループ    板倉英祐     2017/04/16

ユビキチン化タンパク質を恒常的オートファジーの主な基質ではない
最近受理された私たちの論文を紹介します。

オートファジー欠損マウスは細胞質内にユビキチン化タンパク質陽性凝集体を蓄積します。解釈のひとつとして、ユビキチン化タンパク質はプロテアソームだけでなく恒常的オートファジーの基質であるためと予想されてきましたが、実際に恒常的オートファジーがユビキチン化タンパク質をどのくらい分解しているのかわかっておりませんでした。
そこで我々はユビキチン化タンパク質が恒常的オートファジーによって分解されるか調べるため、ユビキチンのN末端にmCherryとGFPを融合させたC-G-UbiquitinをDoxycycline依存的に発現する細胞を作成し、ユビキチンがどのくらいリソソームで分解を受けるか調べました。その結果、ユビキチンの大部分がプロテアソーム依存的に分解されており、オートファジー依存的なユビキチンの分解はわずかしかありませんでした。他の結果を総合すると、オートファジー欠損細胞においてユビキチン陽性凝集体が蓄積する主な原因は、細胞質のユビキチン化タンパク質を巻き込みながらp62が凝集体を形成するためであり、少なくともユビキチン化タンパク質は恒常的オートファジーの主な選択的基質ではないと考えられました。
ただしHeLa細胞などの培養細胞株を用いた結果であるため、オートファジー欠損マウスの臓器で増加、蓄積するユビキチン化タンパク質は他の複雑な要因も含んでいることが考えられます。

この実験を始めた当初はポリユビキチン自体はプロテアソーム上で脱ユビキチンを受けるため、オートファジーで多くが分解されるのではと思っておりました。そのため予想外の結果でしたが、軌道修正しながら論文としてまとめることができたことにホッとしました。また今回の論文は初めての単独コレスポであるため、個人的にとても感慨深いです。

   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局