PubMedID |
17558393 |
Journal |
Nat Cell Biol, 2007 Jul;9(7);813-21, |
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Title |
Wnt signalling regulates paxillin ubiquitination essential for mesodermal cell motility. |
Author |
Iioka H, Iemura S, Natsume T, Kinoshita N |
基礎生物学研究所 形態形成研究部門 木下典行 2007/07/09
形態形成運動とユビキチン化
はじめまして。ご挨拶に代えて、私たちのグループが最近発表した論文を紹介させていただきたいと思います。
私たちはアフリカツメガエルの胚発生、特に原腸陥入運動に関する研究を行っています。原腸陥入運動は中胚葉が胚の内側に入って外胚葉と内胚葉の間を移動する運動です。
この論文では、細胞外基質とアクチン細胞骨格を繋ぐ接着斑を構成するタンパク質「パキシリン」のユビキチン化と分解の制御が、原腸陥入運動において重要であることを示しました。また、RINGフィンガータンパク質XRNF185がパキシリンとプロテアソームに結合し、パキシリンの分解を接着斑において促進していることがわかりました。
今後の課題ですが、本研究でWntという細胞外シグナル分子のシグナル伝達がユビキチン化を促進することがわかりましたので、その活性化の分子機構を明らかにしたいと思っています。また、XRNF185の機能についてもさらに解析を進めたいと考えています。この分野では新参者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。