PubMedID |
29434298 |
Journal |
Sci Rep, 2018 Feb 12;8(1);2813, |
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Title |
Loss of autophagy in dopaminergic neurons causes Lewy pathology and motor dysfunction in aged mice. |
Author |
Sato S, Uchihara T, ..., Tanaka K, Hattori N |
順天堂大学 脳神経内科 佐藤栄人 2018/03/05
先日受理されました論文を紹介させていただきます。
神経変性を伴う多くの疾患では、神経細胞内に封入体の形成がみられます。パーキンソン病でも、レビー小体(synucleinが主構成成分)と呼ばれる細胞内封入体が形成されることが病理学的な特徴となっていますが、その形成メカニズムは不明でした。そこで、私たちはレビー小体の形成メカニズムの解明を目的として、ドーパミン神経細胞に特異的にオートファジーの機能を欠損させることにより、細胞内封入体形成を伴うパーキンソン病のモデル動物の作製が可能ではないかと考えました。
マウスを長期に渡り観察したところ、老齢化に伴い肢を踏み外すといった運動障害が出現することを発見しました。ドーパミン神経細胞の経時的な解析を行ったところ早期にp62が増加し凝集体を形成します。一方、synucleinは老化とともに緩徐に増加し、既存のp62凝集体を核(seed)として集積することによりパーキンソン病に特徴的な封入体であるレビー小体が形成されること見出しました。なお、運動障害を呈する老齢マウスではパーキンソン病患者と同様に、ドーパミン神経細胞のがあることがわかりました。
ドーパミン神経細胞特異的にオートファジーを欠損させたマウスはパーキンソン病類似の病理と運動症状を呈することから、パーキンソン病のモデル動物となる可能性を示しました。