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PubMedID 31406169 Journal Sci Rep, 2019 Aug 12;9(1);11635,
Title Identification of a factor controlling lysosomal homeostasis using a novel lysosomal trafficking probe.
Author Ishii S, Matsuura A, Itakura E
千葉大学大学院理学研究院  板倉研究室    板倉英祐     2019/09/19

簡便なリソソーム活性の測定方法を開発しました
目的遺伝子を抑制したり化合物処理によってオートファジーが阻害された結果を得て、オートファジーの新しいメカニズムをみつけた!となると、次に重要なのはオートファジーが直接阻害されたのか、リソソームの阻害によって間接的に阻害されたのかキッチリ判別することです。
ですが、私もオートファジーを研究していて困ったのは、培養細胞のリソソーム活性を簡単に測定する方法がないのです。定量性の低いlysotracker、コツが必要なDQ-red-BSA取り込みアッセイ、アイソトープ未使用ラボには気後れするcathepsin maturation assayなどなど、不慣れなまま行うとアッセイの度に異なる結果を得てしまって結論がなかなかでなくて困ることがあります。

そこで、私たちが最近発表した論文を紹介させていただきます。
プラスミドベースだから安価で、フローサイトメーター測定だから初めての学生でも再現性高くアッセイできる新しいリソソーム活性測定法Lysosomal-METRIQを開発しました。

仕組みは、リソソームタンパク質DNAseにGFPとその後ろに自己切断配列T2AとRFPを融合さたlysosomal-METRIQプラスミドを利用します。DNAse-GFPは小胞体からリソソーム内に輸送されてGFPが分解されます。一方で、翻訳中に自己切断したT2A-RFPは細胞質に残留します。ポイントはリソソームが阻害されるとDNAse-GFPは蓄積増加しますが、細胞質RFP量は変化しません。したがってフローサイトメーターで細胞あたりのGFPとRFPの蛍光量を測定するだけで、リソソーム活性の変化を測定することができるようになりました。リソソーム阻害だけでなく、リソソーム活性の増加も測定できます。

よろしかったら、皆様お使いください。(現在addgene登録手続き中)


PS. Lysosomal-METRIQベクターはレンチウイルスで安定発現株を簡単に作成できます。レンチウイルスはpVSV-GとpsPAX2をcotransfectionしたウイルス上清を目的細胞に感染して作成できます。希望者にはレンチウイルスのプロトコールもお送りします。
   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局