PubMedID |
17891140 |
Journal |
Nat Cell Biol, 2007 Sep 23; [Epub ahead of print] |
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Title |
Bif-1 interacts with Beclin 1 through UVRAG and regulates autophagy and tumorigenesis. |
Author |
Takahashi Y, Coppola D, ..., Pledger WJ, Wang HG |
基礎生物学研究所 分子細胞生物学研究部門 大隅良典研 壁谷 幸子 2007/10/02
Bif-1 の真の機能や局在はいずこに?
Bax 結合タンパク質であるBif-1 (BAX-Interacting Factor-1), 別名Endophilin B1, の機能を調べるため、ノックアウトを作成し調べたところ、オートファジーを必要とする細胞死に関わることが判明した。さらに、このタンパク質とAtg タンパク質との相互作用を調べるとUVRAG を介してBeclin 1 に結合し、PI3P 産生に必要な複合体を形成するようだ。Bif-1 ノックアウトは、Beclin 1 ノックアウトと異なり、正常に産まれてくるもののやはり、オートファジーが起こらないが故にガン化が見られるようである。
この論文の最大の問題点は、Bif-1 がどこで何をしているかが不明な点だと思います。このタンパク質のBAR ドメインがオートファゴソーム形成に関与している点は非常に興味をもちましたが、その局在は曖昧で、オートファゴソームに局在すると言いつつもBeclin と結合するのでTGN かも、としています。また、以前の報告ではBax に結合するのでミトコンドリア局在とも言われています。 機能の面についても、同様に不透明です。以前報告のあったUVRAG やAmbra1のように、Beclin1 に結合するタンパク質は、Beclin のオートファジーにおける機能とそれ以外の機能のどちらに関与しているかが曖昧なような気がします。従って、これらの点をもっと深く追求してほしかったと思いました。