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PubMedID 17952025 Journal Autophagy, 2007 Oct 8;4(1); [Epub ahead of print]
Title Genetic interactions between Drosophila melanogaster Atg1 and paxillin reveal a role for paxillin in autophagosome formation.
Author Chen GC, Lee JY, ..., Thomas SM, Settleman J
東京医科歯科大学細胞生理学分野  水島研    原 太一     2007/11/15

細胞骨格系とオートファジーの関係
この論文は細胞骨格と運動の制御に機能することが知られているPaxillinが、オートファジーに必要であることを示したちょっと意外性のある論文です。Drosophila Paxillinの高発現はwingless phenotype (blistered wing)を示すのだが、このサプレッサーをとったらオートファジー関連因子Atg1であった。dAtg1やULK (mammalian Atg1) はin vitroでPaxillinをリン酸化した。飢餓でPaxillinの局在はfocal adhesion (FA) から細胞質に変わった。他のFAタンパク質であるVinculinもFAから細胞質(一部細胞内dot)に移動することが分かった。興味深いことに、Paxillin-/-MEFではオートファゴソームが激減した(このデータは非常にきれいで信頼性が高そうである)。また、Vinculinの飢餓での移動も見られなくなった。またショウジョウバエの遺伝学的実験系を用いて、インテグリンシグナルとは関係しない別機能がPaxillinやVinculinにあることを示している。他のfocal adhesionタンパク質はオートファジーに関与するのか、逆に、オートファジー関連因子の一部は細胞骨格の制御に関与するのか?細胞骨格系とオートファジーの関係を考えさせる興味深い論文であると思います。
   
   本文引用



Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局