PubMedID |
16707569 |
Journal |
Mol Biol Cell, 2006 Aug;17(8);3469-83, |
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Title |
Distinct roles for Tsg101 and Hrs in multivesicular body formation and inward vesiculation. |
Author |
Razi M, Futter CE |
東京医科歯科大学医歯学総合研究科 細胞生理(水島研) 尾板 英子 2006/12/23
エンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれたEGF等の受容体は、リソソームへ輸送される際に多胞体 (MVB) に取り込まれる。この様なMVB経路にはESCRT複合体が関与することが知られている。論文中では、動物細胞を用いて、ESCRT複合体の構成因子であるHrs(ESCRT-0の一員)とTsg101(ESCRT-1の一員)のMVB形成における各々の持つ役割について検討している。
これまで、HrsはMVB形成に必要であると報告されていた。しかしながら、本論文において、Hrsをノックダウンした細胞では全体的にMVB数は減少するが、internal vesicleの少ない巨大なMVBの形成がみられた。この結果から、HrsはMVB形成よりもむしろ、internal vesicle形成に関与している事が示唆されるとしている。一方、Tsg101をノックダウンした細胞では、MVB形成が抑えられ、Hrsをノックダウンした細胞では観察されなかったチューブ状の構造体が多数観察された。チューブ状の構造体はEEA1と共局在するため異常な初期エンドソームである可能性が考えられた。したがって、Tsg101は安定な初期エンドソームの維持に必要で、MVBはそれに依存して形成されるのであろうと予想される。