PubMedID | 18056421 | Journal | Genes Dev, 2007 Dec 1;21(23);3061-6, | |
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Title | Atg7-dependent autophagy promotes neuronal health, stress tolerance, and longevity but is dispensable for metamorphosis in Drosophila. | |||
Author | Juhasz G, Erdi B, Sass M, Neufeld TP |
従来の予想を覆す衝撃的な論文です。これまでショウジョウバエでの各種Atg変異体は幼虫後期や蛹で致死と報告されていましたが、今回報告されたAtg7変異体は致死とはなりません。むしろいままで報告されていたAtg1変異などがオートファジー以外の経路にも効いていて、その表現型を拾っていたという解釈です。
オートファジーは幼虫組織から成虫原基に栄養を再動員するために重要であると信じられてきました(少なくとも私は信じてました)。しかし、Atg7変異体はオートファジーはほぼ完全におさえられているにもかかわらず、若干の変態の遅れがみられるのみで概ね正常です。ただし、飢餓や酸化ストレスには弱くなり、寿命が縮まるとされています。Ub凝集体を含む神経変性がおこることもマウスと同様です。変態のような大規模分解は、オートファジーなど特定の分解系がなくてもバックアップが用意されているのでしょうか?
Atg2やAtg3の変異体も致死と報告されているので、そのあたりの整合性がとれていない気もします。唾液腺などの特にオートファジーが盛んな器官がどうなっているかなどの細かいところを知りたいです。