PubMedID |
17713477 |
Journal |
Nature, 2007 Sep 13;449(7159);248-51, |
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Title |
Structure of Dnmt3a bound to Dnmt3L suggests a model for de novo DNA methylation. |
Author |
Jia D, Jurkowska RZ, ..., Jeltsch A, Cheng X |
東京都臨床医学総合研究所カルパインPT 反町洋之研 小山 傑 2008/02/19
哺乳動物の正常な発生には、雄・雌由来のゲノムが一つずつあることが必要である。これは、精子・卵子由来のゲノムが異なる修飾を受け、その結果、父もしくは母由来の一方の対立遺伝子のみから発現する遺伝子が存在するためである(ゲノムインプリンティング)。ゲノムインプリンティングの確立にはDNAのメチル化が不可欠である。このメチル化には、de novoメチル化酵素Dnmt3a及びその類似タンパク質Dnmt3Lからなる複合体が中心的役割を果たすことが知られている。しかし、この複合体が特異的領域のみをメチル化する機構については不明であった。今回、筆者らはDnmt3a/3L複合体の結晶構造解析及び生化学的解析を行い、Dnmt3aによるDNAのメチル化が8から10塩基間隔で起こりやすいことを示すとともに、雌由来でメチル化される領域にはCpG配列がこの間隔で多く存在していることも示した。ゲノムインプリンティングの確立において、特異的な領域のみがメチル化される機構についてのモデルとして、非常に興味深い。一方で、雌雄の生殖系列で異なるメチル化が起こるには、性特異的に機能する因子も必要であると考えられており、それらについての解析も待たれる。