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PubMedID 17373644 Journal Biotechnol J, 2007 May;2(5);565-76,
Title Comprehensive survey of p94/calpain 3 substrates by comparative proteomics--possible regulation of protein synthesis by p94.
Author Ono Y, Hayashi C, ..., Yanagida M, Sorimachi H
東京都臨床医学総合研究所カルパインPT  反町洋之研    小野 弥子     2008/02/28

プロテオミクス→ペプチド→プロテアーゼ(calpain!)の機能、となるか。
非放射性同位体ラベル(iTRAQ)法を用いると、由来の異なる(e.g., 細胞A1, A2, , , An;最新版では、n=8)同一ペプチドの定量的解析が可能になる

骨格筋特異的カルパインp94/calpain 3は、COS7細胞に発現させると、ほとんどすぐに自己消化して消失してしまうが、同時にいくらかは基質タンパク質を分解しているようだ

野生型p94を発現させた(= それだけで活性化)細胞内において減少するペプチドの中には、基質も含まれるだろう

結果:野生型p94及び不活性型p94:C129Sを発現させたCOS7細胞内のproteomeを比較してみると、最も差があったペプチド(約3倍)は、p94自身のものでした(一種、系のポジコン)。それに比べると小さな差ですが、タンパク質合成系や解糖系に関与する分子、(これまで注目していなかったけども)カルパインの基質として報告されている数種の分子、などが、野生型p94の発現によって減少する、ということが見出されました。
感想:変化の有無にかかわらず、これだけいろいろな種類のタンパク質(今回は593種)が実在することを実感しました。エクセル上に現れる数値とスペクトルを見比べることで得られるペプチドの情報は莫大で、ここまではすべてが非常に早く進みます。その後、どこを見れば、生物現象の解説をどのように組み立てられるのか、体力・気力が問われました。一度はチャレンジに値する方法論だと思います。
   
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