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PubMedID 16492811 Journal J Cell Biol, 2006 Feb 27;172(5);693-704,
Title The Vac14p-Fig4p complex acts independently of Vac7p and couples PI3,5P2 synthesis and turnover.
Author Duex JE, Tang F, Weisman LS
京都大学農学研究科応用生命科学専攻  制御発酵研究室(阪井研)    田村 直輝     2007/01/12

 酵母において、PI(3,5)P2 は通常状態で低い量しか存在しないが、高浸透圧にさらすと急激に増加し、すぐに PI3P へと分解されることが知られている。Vac7 と Vac14 はともに酵母で唯一の PI3P 5-kinase である Fab1 のアクチベーターとして考えられており、また一方で Fig4 は PI(3,5)P2 5-phosphatase であることがわかっている。本論文は、Vac7 と Vac14-Fig4 complex がそれぞれ独立して PI(3,5)P2 レベルの上昇に関与していること、また急速な PI3P へのターンオーバーには Vac14-Fig4 complex が必要であり、Fig4 のphosphatase 活性には Vac14 が必要であることを明らかとした。
 高浸透圧にさらすと PI(3,5)P2 レベルの上昇と同時に液胞の断片化が引き起こされ、また PI(3,5)P2 が存在しないと液胞は極端に肥大化することがわかっている。液胞の機能と動態を考える上で PI(3,5)P2 シグナルは極めて重要であり、その制御メカニズムは未だ不明な点が多いが、phosphatase である Fig4 がアクチベーターにも関与していることや Vac7 と Vac14 が独立して機能していることなどから複雑な制御が行われていると考えられる。
   
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Copyright 特定領域研究「タンパク質分解による細胞・個体機能の制御」事務局